【題詠blog2008】(途中リタイア)

《冥の逸脱》2008年度版 by 小籠良夜 [04,Mar.〜09,Sep.]





001:おはよう
おはやうのキスが欲しくば契約を 春はあけぼの ほのか残り香
002:次
「次の世も添ひたし」と言へど吾妹子よ われ不死者ゆゑ次の世も無し
003:理由
きぬぎぬの別れぞ 甘きむつごとも如何なる理由も訊く耳は持たぬ
004:塩
古傷に沁む塩の如あかときの首筋に降る春の沫雪
005:放
放たれて白き鳩なる恋心 放たぬままにキマイラと化す
006:ドラマ
筒井筒 無明(むみゃう)の恋は二人シテ 無効化せるドラマツルギー
007:壁
壁紙は煤けてをりぬ その昔たれかを埋めし辺りの他は
008:守
冥府とて庁の掟はがっつりとわれに課せたる機密守秘義務
009:会話
われがことは言はず語らず外部との会話はすべて盗聴されき
010:蝶
凍蝶(いててふ)の舞ひ落つる午后 黄泉に御座(おは)す魔王閣下の癇癪を見む
011:除
輪廻(りんね)より除外されし身それゆゑにいまひとたびの恋路は往かぬ
012:ダイヤ
永遠に今月今夜この月を濡らす泪の偽ダイヤ哉
013:優
みちづれに影も落さぬ不死者にはかくも優しきおぼろなる月
014:泉
縄張り争ひも今宵限りなり 共に浸る鉱泉の凄まじ
015:アジア
破(や)れ地図の北半分を吹き渡る黄塵万丈アジアとは広し
016:%
春兆す霞、沫雪、小糠雨・・・%(パーセンテージ)では表せぬ
017:頭
かすみ立つ宵に呼び出すうつけ者はかつて山賊・自称頭目
018:集
あやかしの集ひぞ今宵おぼろなる月は何人(なんぴと)たりとも視せず
019:豆腐
霞たつ如きうつけぞ 酢豆腐の角にて空の頭(づ)を打ちやよし
020:鳩
「我が御代の危機ぞ!」冥府も現世(うつしよ)も鳩首会議は連日連夜
021:サッカー
いにしへの罵詈雑言を身に飛沫(しぶ)く花のシャワーのコックサッカー
022:低
罷り越したが獲物なき花曇り どやつもこやつも低血圧よ
023:用紙
をとめごに文付けられ、と思ひしがコピー用紙の裏は喇嘛(ラマ)経
024:岸
往生は遂げられやうか黄沙なす向ふ岸まで渡す舟なく
025:あられ
若竹のふしは短く春まだき我が身世にふる雨あられ哉
026:基
宇宙基地 或いは墓地の心地して 身を横たはばさも枕経
027:消毒
この星は繁殖期さへ潔癖に煮沸消毒さるる種子達
028:供
供給と需要と因果 男性は女性を凌駕するに能はず
029:杖
手に馴染む木彫りの杖はホグワーツ魔法学園中退記念
030:湯気
さも魔女の鍋に湯気たつ心地してハーブだらけのバスタブに入る
031:忍
疾風(はやて)なる闇のけものよ 凶刃を心に置きて忍ぶものかは
032:ルージュ
つとめ終へルージュ落せば踊り子の素顔あらはに魔女と呼ばるる
033:すいか
敗戦を喫すいかほど強くとも運気のマグレには敵はじ
034:岡
岡陵の地に仏在り 島嶼には神々が在り 巡る日輪
035:過去
貴殿にもさぞや華やぐ過去の世の姿のありや I, immortality
036:船
「神々の楯」を騙りき 冥き海に漁(すなど)れる小船の真っ二つ
037:V
世界には裂け目ありてふあをあをと荊萌え出づ『Virgin Killer』
038:有
たをやかに我に翼の生(お)ふ如く有罪判決下されし朝
039:王子
孤塁なるリア王子らは何ひとつ汝(なれ)に為さざり、父なればなほ。
040:粘
冷えきらぬギネスは呑むに能はざり 血液も粘りくさる昨今
041:存在
「ワレオモフユヱニワレアリ」霞立つ硫化水素に堕つる存在
042:鱗
或る夜の狩りの命題「まぼろしの飛竜の逆鱗を毟り取れ」
043:宝くじ
代々の無駄なる家宝くじ運の悪さ それゆゑ跡取りも絶ゆ
044:鈴
雷雨しげき午前零時の呼び鈴に応ふるは唯逢魔ばかりか
045:楽譜
我が父の其の父の日の黄昏に遁走曲の楽譜ならべき
046:設
改竄はそも神々の御手に依り バベルの塔の設計図など
047:ひまわり
死神は鎌研ぎてをり 丈高き頸は刈らるるひまわりの夏
048:凧
雷雲に凧を繋げし科学者の尻尾は黄泉へ繋がりてをり
049:礼
人死にの絶えざる故に冥界の各位にも欠礼しっ放し
050:確率
其の札を引く確率は汝(なれ)次第「死」を牽く「戦車」「吊られし男」
051:熊
美しき女 それぐらいにしておけ 大熊座の由来知らぬのか
052:考
「好きにせよ」故に戸惑ふ青二才 思考回路は見切られてをる
053:キヨスク
深海の駅ばかりなる冥鉄のキヨスクで購ふ小指姫
054:笛
議員らの二世は踊る 踊らぬは二世主宰が笛吹けど **
055:乾燥
オリーヴをイチヂクをまたブドウ酒を 乾燥地帯にのみ賜りぬ
056:悩
まず麦酒(ビール)それから葡萄酒(ワイン) 悩みとは枝豆とナッツ盛りの差異か
057:パジャマ
正体もなくすほど酔ふ汝(なれ)がため囚人服の如きパジャマを
[此処でリタイア]

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by tanka_meitey | 2009-03-01 00:03 | 先代冥亭分預り